http://www.fnn-news.com/sp/news/headlines/articles/CONN00325668.html
《一部抜粋》
なぜ、このような悲惨な事件が起きてしまったのか。
冨田さんの高校の後輩は「『ファンの方で、気持ち悪い人がいる』と言ってました。それで、どうしようっていう形で、相談を受けました。しつこさが怖いとは、言ってました」と話した。
今も意識がない状態が続く冨田さん。
自身のファンである、岩埼友宏容疑者(27)に刺されるという悲劇に至るまでに、冨田さんは周囲の人に対し、不安を漏らしていました。
ネットでつながった人物との関係がリアルな恐怖となる。
これは、芸能人とファンの間以外でも起こりうる話。
街では、「男性からの食事の誘いがあって、ブロックしてもブロックしても、別のアカウントで見られることがあって、すごく怖かった」、「(後輩がSNSで)連絡しなくなったら、『お前の仕事場とか全部わかっているんだからな』と。怖かったというのは、後輩から聞いたことはあります」、「毎回(SNSに)投稿したら、数秒後にコメントで、うるさいぐらいに書かれたり」などといった声が聞かれた。
人は、いったいどこで、ストーカーへの一線を越えるのか。
加害者のカウンセリングなど、ストーカー問題に取り組むNPO法人「ステップ」の栗原 加代美さんは、「拒否され続けられたときに、彼らの中に、『無視された』、『ばかにされた』という思考が芽生える。それが、怒りを生む。そして、復讐(ふくしゅう)に変わる。殺意に変わる」と指摘する。
岩埼容疑者が一線を越えたのは、いつなのか。
岩埼容疑者が書いたとみられるブログとツイッターから、ひもといた。
高校中退後、群馬県の実家で引きこもるような生活を送っていたという岩埼容疑者。
「みんな敵だ」、「殺さなきゃ」、「生まれて来なきゃ良かったよ」、「くだらねぇ」なとどいった敵意と不安に満ちた文章が、ある日を境に一転した。
「いま好きな人がいます」、「たったそれだけのことで、生きていることが楽しくなりました」、「僕はトミーさんこと冨田真由さんを知っていることが誇らしい」とつづっていた。
2015年2月に、冨田さんを知った岩埼容疑者。
ブログには、好意的な内容が並んでいた。
しかし、この時、自分でも気づかぬうちに、サイバーストーカーへと、一歩踏み出していた。
ブログには、「本気で貯金しますっ!」、「将来結婚したいし、家も建てたい」とつづられていた。
栗原さんが最初に着目した岩埼容疑者の言葉は、「結婚」という単語を使った、このコメント。
栗原さんは「(ツイッターやSNSは)思い込みしやすい。自分で、愛情表現とか、好意を言葉にしていくことで、自分の心をマインドコントロールしていく。
相手から、何も返信がないので、自分だけがどんどん想像の世界から、膨れ上がっていった」と話した。
そして、岩埼容疑者は2016年1月、冨田さんのライブを鑑賞し、腕時計をプレゼントした。
しかし、その後、書き込みに嫌気がさしたのか、冨田さんにプレゼントの腕時計を送り返されると、岩埼容疑者の書き込みのトーンが一変。
「郵便局から荷物が届きました。差出人不明。腕時計と本3冊が入ってました。わざわざ送ってくれなくても取りに行きましたよ? ほんと、嫌な女」とつづられていた。
栗原さんが着目した2つ目の言葉。
この段階で、岩埼容疑者が引き返せないところにいったと指摘する。
栗原さんは「時計を返したというところ、その辺りから、彼は否定されたと、自分の行為を。それがはっきり、NOとわかったときが、非常に危険」と話した。
その後の岩埼容疑者のコメントは、一気に攻撃性を増していった。
「僕は殺したい」、「犯罪します」、「殺人なんてのは 加害者になるのも被害者になるのも生きていれば遭遇する可能性は十分ある」、「恐いね」などとしていた。
そして、事件当日、午後5時、冨田さんを待ち伏せている時なのか、事件前、「まだかなまだかな~」と、最後のブログの更新をしていた。
犯行直前まで、サイバー空間に、その言葉を残していた岩埼容疑者。
悲劇を防ぐすべはなかったのか。